蝋に拘る

  ここでは革榮で糸への蝋引きをする際に使う蝋をご紹介します。

 

 革榮では主に蜜蝋(動物性)キャンデリラ蝋(植物性)を使っていてこれに粘りを出すため松脂を少量混ぜて精製します。

 通常は蜜蝋ですが、キャンデリラ蝋は北部メキシコ~南米の高原地帯(2000メートル程度)に自生する植物から抽出され、厳しい生育環境により防湿・防水面に優れているため屋外環境での使用が想定される商品にはこちらの蝋を使います。

 蜜蝋はニホンミツバチとセイヨウミツバチのもので若干粘りに差が出ます。粘りの差を生み出しているものは鹸化率でこれが高くなればなるほど硬くなる傾向にあります。湾曲部分や稼動部等の見えにくい部分に多くかかる糸はニホンミツバチの割合が高いもの、逆に手が触れる機会が多く擦れや磨耗に耐える必要がある場所へはセイヨウミツバチの割合が多いもの、と言った具合に商品や使用部位によって使い分けています。

 革榮以外の一般的な商品で使用されている蝋引き用の蝋は基本的にパラフィンを含んでいることが多いです。革榮では石油系の蝋は一切使わずに、接着剤同様全て工房にて製造しております。※パラフィン自体は石油から分留・精製して作るものなので化学合成されるわけではなく天然素材です。

 

 このように革榮では、それぞれの用途に合った天然蝋で糸を保護することによって縫製時・使用時の磨耗から糸を守り、永く使える製品を創りだしています。