糸に拘る

ここでは革榮で縫製に使われる糸についてお話します。

 

 現在の革製品に使われている糸は手縫い・ミシンにかかわらず殆どがポリエステルやナイロンといった化学繊維の糸です。これらは非常に丈夫ですが残念ながら土には還らず、一般に使われる副資材同様に燃やせば有毒ガスを発生させる場合もあります。さらに糸の撚りも左撚りで手縫いには適さないものが多いです。

 

 革榮では当然、天然素材以外(化学繊維製品等)は使いませんので麻糸を用いて縫製をします。麻にも種類があり、ラミー(芋麻)とリネン(亜麻)があり、ラミーは繊維が長く太いので天然繊維の中では一番強度があると言われおり革榮ではこのラミー糸を縫製で使用しています。(※長くなるので全部は書きませんが大麻も一種の麻で日本では本来こちらが麻でしたが前述のものと区別するために大きく育つことから大麻と呼ぶようになったと言われています)

 麻糸は麻を縒って作っているために天然繊維の中では強い糸ですが強度的には化学繊維糸よりも落ちてしまいます。そこで蝋引きと言って糸に蝋(ワックス)を染込ませてから縫います。

 それでも必ず糸切れは起きてしまいますが、革榮では糸の縫い直しも行っておりますので永く使うことが可能です。

 

余談ですがごく一般的に手縫いで使われる「 シニュー 」。これ、昔の手縫い糸は動物の腱を原料にしていたことに由来しますが今はもちろん動物の腱ではなく似せて作ったモノなので正確には「 イミテーションシニュー 」と呼ばれます。本物のシニューが手に入れば強度はさておき、1度は使ってみたいのですが中々現代では難しいですね。